雪解けの春を待ちわびる若草色の大広場にて、
大小の鳥たちが羽をたたんで養生中。
ふさふさ羽毛、春風でやさしく乾く桜色。
飛び散る水滴、ぴかりと煌くサンキャッチャー。
寄り添うペリカン、二つ合わせてハート型。
魚を丸飲みにする大型の鳥類も、
セットで見るとなんだか愛らしく微笑ましい。
ひんやりとして気持ちのいい音色がしたと思ったら
右耳の方向から雨上がりの気配が近づいていた
湿っぽくぬるい空からのしずくたちは
春の訪れを示した
からっとした南風が
これからの季節の予兆としてやってきた
どんなに便利で快適な時代になっても
大気を吸って、温度や湿度を皮膚で感じて、食べて眠る
わたしたちはヒト科の生物だ
精巧な建造物を構築し
鮮やかな創造物を配置し
複雑な社会を形成する
もっとも奇妙で興味深く、なぞの多い
ファインダーのむこう
生き物の黒目がちな瞳と目があうとき
なにをかんがえているのかなあと思う
わかったことは一度もない
ただそう思って異種の生物と向き合う瞬間
交差するそれぞれのエネルギー
その色が
その波長が
その質感が
一枚の画に写される
動物を撮るとき
ほんの一瞬の交流の記録
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